前日準備・支度|笑顔あふれるふたりの朝
大学時代から11年という長い歴史をかさねながら、
さまざまなことを乗り越えてきたお二人。
お互いのことを理解し合い、それぞれの得意な部分を活かしながら、結婚式の準備も大切に進めてこられました。
前日にはおふたりも少しだけ設営に参加。
一緒に空間をにつくりあげたことで、覚園寺という特別な空間に、さらに二人の想いがさらに重なっていくようでした。
そして迎えた当日。
これまで一緒に打ち合わせを進めてきたスタッフたちとともに、あたたかい雰囲気の中で、お支度が進んでいきます。
この日、おふたりには"あえて"同じ部屋でご準備をしていただきました。
形式的に行うファーストミートや撮影のためではなく、ふたりだけのための、想いを整える時間として。
緊張よりも、ふたりらしい笑い声が響いていた支度の時間。
そのやわらかな空気感には、これまで歩んできた日々が、そっと重なっているように感じられました。
挙式|ふたりの軌跡を紡ぐ誓いの時間
覚園寺という祈りの場で執り行われたのは、ふたりらしいかたちの人前式。
これまで支えてくれたご家族や大切な人たちに見守られながら、夫婦となることを、皆様に承認していただく時間に。
挙式は、ふたりのこれまでを振り返る映像からスタート。
プロフィール紹介を交えながら、生い立ち、そして出会いから今日に至るまで──
あえて挙式の冒頭にこの紹介を入れることで、これまで歩んできた二人の軌跡やルーツを皆様に感じていただける時間となりました。
入場の際には、新婦様のお父様からお手紙の朗読。
「あなたを理解してくれる人が周りにいることに感謝して、これからは恩返しができるよう、二人で力を合わせて歩んでいってください。」
娘を想う真っ直ぐな言葉や、お父様からみた新婦様の姿、そしてそれを笑顔でうなずきながら聞く新婦様の姿。
家族との絆や深い愛情が、会場全体をやさしく包みこみました。
最後には、ゲスト全員へ向けて誓いの言葉を。
テンプレートではなく、ふたりの言葉で届けた誓いに、皆様にも自然と笑顔がこぼれました。
パーティー前のひととき|祝福に包まれて
パーティーのはじまりの時間。
本来はお庭で予定されていたカクテルパーティーでしたが、雨のため室内でのひとときとなりました。
新郎様からは、「どんな想いでこの日を準備してきたか」、そして「どんなふうに過ごしてもらえたら嬉しいか」という心のこもったスピーチ。
フランスへの留学経験があり、お仕事でもパリに滞在される新婦様からは、フランスのことわざを添えた言葉が。
“Mariage pluvieux, mariage heureux.”
雨の日の結婚式は、幸せな結婚になる──
「空から降る雨は、新郎新婦が流すはずだった一生分の涙。それがあらかじめ流れ落ちたからこそ、これからは穏やかな日々が続く」
室内になったことで、むしろ距離がぐっと近づき、鏡開きやお世話になった方々からのスピーチなど、あたたかな時間が広がっていきました。
自然と皆様が集い、笑顔がこぼれるひとときに。
たとえ予定通りにいかないことがあっても、その場をまるごと受け入れて、楽しみに変えていくふたりの姿を見ていると
「どんな状況も、ふたりならきっと大丈夫」
そんなふうに思わせてくれるような、あたたかくて、やわらかい空気に包まれた時間でした。
ふたりの人柄がまっすぐに表れたからこそ、ふたりのまわりに自然と笑顔が溢れていたのだと思います。
パーティー|ご縁が深まる時間
おふたりがこの日のパーティーで大切にしていたのは、
華やかな演出ではなく、大切な人たちと心を交わせる「時間」そのもの。
ゆったりとした歓談を中心に、久しぶりに会う友人と笑い合い、これまでの感謝を伝え合う。
お互いの大切な方々を改めて紹介し合う場面もあり、
おふたりの大切な人たち同士がつながっていく、
そんな光景が、会場のあちらこちらに広がっていました。
「大切な人との縁が、より深まる時間に」
「おいしいごはんを囲んで、ただただ楽しんでほしい」
そんなおふたりの想いが、ゆっくりと、確かに形になっていく。
ふたりが紡いできた11年という時間と、
今ここにあるご縁が重なる、あたたかなひとときとなりました。
パーティー|雨上がりの結びの景色
結びのお時間は、感謝の想いをまっすぐに届けました。
近い距離だったからこそ、心と心が通い合い、素直な気持ちがそっと溢れていきました。
新婦様からのお手紙には、これまで支えてくれたご家族への想いが丁寧に綴られ、そのあとのお父様のスピーチでは思わず涙がこぼれる場面も。
外に出る頃には、雨もすっかり上がっていて
ゲスト一人ひとりが彩ってくれた長いフラワーシャワーの道を、幸せそうに歩むおふたりの姿がありました。
おふたりがこれまでの人生で出会い、大切にされてきた方々がつくってくれた花道。
その光景が、おふたりの心に刻まれ、これからの日々の支えとなりますように。
雨が降ったことも、そしてその雨が上がってこの瞬間が訪れたことも─
まるで、これまでの人生のすべてに意味があったのだと感じさせてくれるような、やさしく美しい結びの時間となりました。